子どものための鍼灸 ささない やさしい
小児鍼は、専用の鍼具を使い皮膚にやさしく触れる、はりを刺さない、やさしい鍼施術です。このやさしい刺激には次のような効果があります。
・オキシトシンやセロトニンの分泌を促し、安心感を高め、ストレスを和らげる
・皮膚の知覚神経を通じて、自律神経(交感神経)の興奮を抑え、整える
子どもの自律神経はまだ未発達で、しかも交感神経が優位に働きやすい傾向にあります。大人には便利で快適な現代生活も、小さな子どもにとっては、時に過剰な刺激になることがあります。こうした刺激が続くと、夜泣きや寝つきの悪さ、かんしゃくなどの不調としてあらわれることがあります。
小児鍼は、やさしく触れることで自律神経を安定させます。自律神経が安定すると、身体の自己回復力が高まり、お子さんが本来持っている「成長する力」がいっそう発揮されやすくなっていきます。
小児鍼の適応症状
新生児~1歳
夜泣き、吐乳、便秘、アトピー性皮膚炎など。
幼児期
かんしゃく、イライラ、物を投げる、かみつく、夜驚、チック、なかなか食べてくれない、好き嫌いが多い、お腹をこわしやすい、扁桃炎、アトピー性皮膚炎、ぜんそく、アレルギー性鼻炎、夜尿、よく風邪をひいたり熱を出す、登園をいやがる、発達についての不安、など。
学童期~思春期
イライラ、よくケンカをする、集中力が続かない、チック、夜尿、アトピー性皮膚炎、ぜんそく、アレルギー性鼻炎、頭痛、腹痛、成長痛、目の疲れ、風邪をひき易い、疲れやすい、起立性調節障害、学校に行きたくない、発達についての不安、など。
自律神経とストレス
自律神経は外界の変化や刺激に合わせて、循環・呼吸・体温・消化などを自動的に調節してくれています。この自動調節機能がうまく働かなくなった時、生体にさまざまな不具合が起こります。
現代社会は非常に便利でもありますが、生体が処理しきれないほどの刺激に曝され続けるストレス社会でもあります。とくに子どもは心身が未成熟で無防備であるため、その刺激から受ける影響は大人以上に大きく、また深刻です。興奮した神経が鎮まる間もなく新たな刺激に曝されるという状態が繰り返されると、やがて不健康な状態が表れるようになります。
健康の3要素
健康の指標は、快食・快眠・快便です。この3つが整っていれば健康といえるでしょう。しかし、最近この3つに不調のある子どもが多いのです。最近はテレビだけでなく動画サイト、ゲーム、SNSなど誘惑が多く、大人もそうですが、寝る時間が遅くなりがちです。そのため朝の目覚めが悪くなり、朝の食欲がわかないという悪循環をよく目にします。
子どもの不調においては、この3つのいずれかまたは全てが阻害されています。つまりこの3つを改善していけば身体は健康に向かいます。
※子どもはみんな発達の途中にあり、ペースも個性もそれぞれです。 近年「神経発達症」と呼ばれる特性をもつお子さんが増えていますが、成長が少しゆっくりだったり、方向が少し違っているだけということも多くあります。
適切な療育とともに、小児鍼で自律神経が整うと、快食・快眠・快便の生活リズムが育ち、イライラや不安がやわらぎます。 身体のリズムが整うことで、子どもがもともと持っている 成長する力が発揮されやすい状態 になり、困りごとも少しずつ改善していきます。
春秋鍼灸院は、「その子らしい成長」を大切にしながら、親御さんと共にお子さんの歩みをそっと支えています。
※不登校の小中学生は増加の一途です。きっかけや理由は一人ひとり違い、単純に「これが原因」と言い切れるものではありません。また、小児鍼をすれば不登校が治るということでも、学校に行きさえすればよいということでもありません。
ただ共通しているのは、不登校に至るまでに 子ども達が大きなストレスやしんどさを抱えてきた ということです。その結果、快食・快眠・快便といった健康の基本が乱れ、心身の緊張が続いています。
まずは、疲れきった心と体の緊張を解くことが先決です。小児鍼は自律神経を整え、子どもが本来もっている 回復力をチャージする手助けとなります。
焦らず、ゆったり構えて、お子さんの回復力を信じて見守ることが大切です。ただし、こじれる前に適切な対応してあげることもポイントだと思います。
春秋鍼灸院では、お子さんの状態をていねいにうかがいながら、小児鍼で心身の負担をやわらげ、回復への一歩をそっと支えています。
治療頻度および期間の目安
・最初のうちは週に1~2回一定期間の施術が必要です。
・軽症ならば3~5回目くらいで症状が改善してきます。
・重症の場合は、数日間連続での施術が必要な場合もあります。
・慢性症状の場合は治療期間が長くかかります。
・1回の施術時間は約5分前後。
・子どもの身体は小さく敏感です。一度にたくさんの刺激を与えることはできません。
・大人の感覚からすると驚くほど軽微な刺激ですが、それぞれに応じたツボや部位を選んで適切な加減の刺激を与えます。
使用する鍼具について
春秋鍼灸院は、大師流小児鍼を使用しています。
大師流小児鍼は、大阪で130年以上続く「大師はり灸療院」の初代・明海氏が創案した子どものための特別な鍼です。その技術は二代目・谷岡賢太郎氏、そして三代目・谷岡賢徳先生へと受け継がれ、大切に守られてきました。
~~門外不出の技術を、未来の子どもたちへ~~
かつて小児鍼の奥義は一子相伝、門外不出でした。しかし三代目・谷岡賢徳先生は、「小児鍼のできる鍼灸師をもっと増やし、世界中の子どもを笑顔にしたい」という強い願いのもと、講習会を通じて志ある鍼灸師へ技術を公開されました。
その結果、大師流小児鍼は国内だけでなく、ボストン・バンクーバー・ウィーン・オーストラリアなど世界各地へ広まりつつあります。