認知症サポーターがいます!
私たちの社会は今、世界史上、類を見ない「超高齢社会」を迎えました。これをどう乗り越えるのか、世界中が注目しているそうです。
2025年を迎え、1945年の第二次世界大戦(太平洋戦争)後に生まれた第一次ベビーブーム世代の方々が75歳を迎え、労働力不足と社会保障費の増大といった課題が現実となりました。第一次ベビーブーム生まれの方達は、長年にわたり私達の社会を支えてきて下さった方達です。
私が子どもの頃は、まだ90歳、100歳のお年寄りは珍しく「ご長寿」として珍重されていたことを今でも覚えています。それもそのはず、グーグルで検索してみると、1975年(昭和50年)頃、100歳以上の人は日本中にたったの548人しかいなかったそうです。今はなんと全国に約9万9800人もいらっしゃいます。
子ども頃、無邪気に思い描いていたむかし話の中のような長寿社会が、見事実現したというのに・・・実現してみると、現実はかなり厳しいなあと思います。
高齢になると、足腰が衰え、思うように身体が動かなくなり、感覚器(嗅覚、視覚、聴覚)は鈍る上、伴侶、仲良かった兄弟や盟友に先立たれ、寂しい思いをされている高齢者の何と多いことか・・・認知症の方が増えたのも人が長生きできるようになった代償です。脳も身体と同様、老化します。
私は鍼灸師なので目の前の患者さんに、1mmでも元気になっていただくことが仕事だと思っています。「0歳から100歳でも」が当院のモットー。たとえ認知症の方であっても同じです。
鍼灸は認知症予防にも効果があるようで、そういう症例報告はたくさんありますが、まだまだ知られていません。今後、鍼灸が認知症予防にもっともっと活用されるようになると良いと思います。ただし認知症の原因は加齢ですから、認知症そのものを治すことはできません。しかし不安な気持ちやイライラなどの周辺症状(BPSD)には役立つことが多いです。
副作用が無く、あんな話こんな話をしながら施術するのも鍼灸の良いところです。
先日、松山市役所で開催された認知症サポーター養成講座に仲間とともに参加しました。市役所の職員の方々も次々と受講されており、地域全体で支え合おうという松山市の姿勢を強く感じました。
松山市の高齢化率は、全国平均よりも若干高いようです。松山市が全国に先駆けて、住み慣れた地域で高齢者が最後まで安心して暮らせる街づくりを実現したら、素敵だなと思います。実現するかどうかは、行政だけではなく、私達市民一人一人の思いと行動にもかかっていると思います。世界がお手本にするような松山市になったらいいなあ!
そういう日を夢見つつ・・・地域包括支援センターから「認知症サポーターのいる店舗」のステッカーをいただきました。このステッカーは認知症の方やご家族が安心して訪れることができる目印です。
